給与計算システムは、官公庁・自治体における職員の給与計算業務を自動化し、業務効率化とペーパーレス化を実現する重要なシステムです。特に会計年度任用職員制度の開始により、給与計算業務の複雑化が進む中、システム導入による業務改善が求められています。
本記事では、実際に給与計算システムを導入した自治体の事例を7つ厳選してご紹介します。各事例では、導入前の課題、システム選定理由、具体的な導入効果を詳しく解説しています。
官公庁・自治体にてSaaS選びをする際は、事例を参考にすることがとても大切なステップになるため、是非ご活用ください。
- 🔍 課題や背景 - 導入前に抱えていた課題・業務上の問題点
- 👍 選んだ理由 - システムを採用した決め手・評価ポイント
- 🚀 導入効果 - 導入後の具体的な成果・業務改善の実績
1️⃣ 群馬県群馬県庁(導入:COMPANY)
導入時期: 2023年
群馬県では、県政のデジタル化と業務プロセス改革を推進するために「COMPANY on LGWAN」を導入。会計年度任用職員制度に対応した給与計算の自動化と、業務プロセスの電子化により、職員の能力を最大化できる働き方改革を実現しました。
🔍 課題や背景
- 会計年度任用職員制度による業務複雑化 - 出勤簿の転記、給与計算、伝票作成などをすべて手作業で処理
- ペーパーレス化の遅れ - 通勤手当申請、各種休暇申請、年末調整申告等を紙で処理
- 法改正対応の負担 - 法改正ごとに各課の担当者がそれぞれ対応する必要があり、業務負担が大きい
👍 選んだ理由
- 🖥️ 会計年度任用職員の業務効率化 - 勤怠管理から給与計算まで一連の処理をシステム化
- 📝 業務プロセスの電子化 - 人事・勤怠関連申請をWeb化し、ペーパーレス化を実現
- ⚖️ 法改正への自動対応 - 定額保守料の範囲内で法改正対応が可能(無償バージョンアップ)
- ⏱️ 短期間での導入 - 短期間での導入が可能で、スケジュール要件を満たせた
🚀 導入効果
- 会計年度任用職員の給与計算業務の効率化 - 入力やデータ作成の手作業が不要に
- ペーパーレス化の実現 - 人事・勤怠関連申請がWeb上で完結し、業務効率が向上
- 法改正対応の負担軽減 - 職員の業務負担が大幅に軽減される見込み
参考: 群馬県、「COMPANY on LGWAN」を活用し、県政のデジタル化と業務プロセス改革を推進|Works Human Intelligence
2️⃣ 福井県あわら市役所(導入:COMPANY)
導入時期: 2022年
あわら市では、会計年度任用職員制度と共済組合制度の適用拡大により増大する業務負荷に対応するため、「COMPANY on LGWAN」を導入。約250名の会計年度任用職員を管理する総務課の作業負荷を導入前の1/10まで削減し、人的ミスに対する不安も解消しました。
🔍 課題や背景
- 会計年度任用職員制度による業務複雑化 - 2020年の制度開始により勤怠・給与管理が煩雑化
- 共済組合制度の適用拡大 - 2022年10月からの制度拡大により総務課の負荷がさらに増大
- 複数システムの分散管理 - 2種類の既存システムと複数の表計算ソフトを使用しており運用に限界
👍 選んだ理由
- 🖥️ 必要な機能がすべて揃っていた - 人事・勤怠・給与管理を一括管理できる統合システム
- 👥 柔軟な権限管理 - 総務課以外にも出退勤管理の操作権限を付与可能
- 👨👩👧👦 マルチパーソン機能 - 複数所属で兼務している職員も管理できる
- ⏱️ 時給計算の自動化 - 勤怠情報と連動して時給計算が可能
- 🔧 シンプルな操作性 - 他の所属の担当職員でも簡単に操作できる
- ⏳ 短納期対応 - 3ヶ月という短期間での導入が可能で、制度改定前に稼働できた
🚀 導入効果
- 作業負荷が1/10まで削減 - 総務課の作業負荷が導入前と比較して約90%削減
- 人的ミスの不安が解消 - 自動計算により、計算ミスや転記ミスが解消
- 精神的負担からの解放 - 手作業によるミスへの緊張感から解放され、「気持ちが楽になった」との声
参考: 導入事例|あわら市|会計年度任用職員制度、共済制度改正に向けた業務効率化
3️⃣ 宮城県宮城県庁(導入:スマカンPublic)
導入時期: 2022年
宮城県では、働き方改革推進の一環として総務事務センターを開設するにあたり、老朽化した給与システムを刷新。公的機関に特化した「スマカンPublic」を導入し、会計年度任用職員の給与計算機能を開発するとともに、柔軟な機能追加・拡張により業務効率化を実現しました。
🔍 課題や背景
- 既存システムの老朽化 - 昭和48年から運用しており、ハードウェアの老朽化とプログラムの複雑化が進行
- メンテナンスの限界 - ネットワーク接続のシステムが主流になり、対応できるエンジニアが減少
- 総務事務センター開設 - 総務・庶務事務を集約化するための新システムが必要
👍 選んだ理由
- 🏛️ 公的機関に特化した設計 - 公務員の俸給表をもとに設計されたパッケージシステム
- 🔧 柔軟な機能追加 - 会計年度任用職員の給与計算機能など、必要な機能を追加開発
- 🔗 システム連携 - 知事部局・教育庁・警察本部の人事系システムと連携
- 💰 保守の範囲内で対応 - 法改正・制度改正による更新が保守の範囲で対応可能
- 📊 自由条件検索機能 - 部署ごとに必要なデータを都度検索・抽出できる
🚀 導入効果
- 会計年度任用職員の給与計算を自動化 - 手計算で処理してきた業務をシステム化
- 作業期間の柔軟化 - 約3週間の期間内であれば部署や順番に関わらず作業が可能に
- 計算ミスの未然防止 - リアルタイムで給与計算結果を確認でき、ミスを即座に修正可能
- データ抽出業務の負担軽減 - 必要な部署が必要なデータを取り出せるようになった
参考: 柔軟に機能追加が可能な、公的機関に特化した給与システム。|ジチタイワークスWEB
4️⃣ 兵庫県尼崎市役所(導入:公開羅針盤+C)
導入時期: 2019年
尼崎市では、10年以上使用していた11種類の人事給与・労務管理システムを統合するため、「公開羅針盤+C 人事給与システム」を導入。プラットフォーム型システムによりシームレスな連携を実現し、二重入力などの無駄な作業を解消しました。
🔍 課題や背景
- 複数システムの分散管理 - 正規職員・再任用職員・非常勤職員等で管理するデータベースが異なる
- 独自仕様による高コスト - カスタマイズ部分が多く、制度改正のたびに費用が発生
- 二重入力の発生 - 同じ処理を別のシステムで実施する必要があり、非効率
- 老朽化による不安 - 開発言語が古くブラックボックス化し、障害発生の危険性があった
👍 選んだ理由
- 🖥️ 直感的なUI - クライアントのUIが直感的で、感覚的に操作できる
- 🔗 プラットフォーム型 - 各システムがシームレスに連携でき、職員の異動があっても使い続けられる
- 📊 データの一元管理 - 異なる任用区分の職員を一元管理できる
- 💰 制度改正への対応が容易 - 大規模な制度改正も運用保守の範囲内で対応可能
- 👥 充実したサポート - 大阪にオフィスがあり、「何かあれば駆けつけます」という対応力
🚀 導入効果
- 年度更新作業のスムーズ化 - 操作感が軽快で、少しの操作指導ですぐに使えるようになった
- 業務の大幅な効率化 - 手作業だったものが「ボタン一つ」でできるようになった
- 同時作業が可能に - 人事側と給与側の作業をほぼ同時に行えるようになった
- 保守費用の削減 - 複数ベンダーとの保守契約が一本化され、コストパフォーマンスが向上
参考: 公開羅針盤+C 人事給与システム - 両備システムズ
5️⃣ 北海道札幌市役所(導入:IPKNOWLEDGE)
導入時期: 2019年
札幌市では、30年近く使用してきた11種類の人事給与・労務管理システムを統合するため、「IPKNOWLEDGE 人事給与・庶務事務システム」を導入。システム統合により運用負担を軽減し、給与明細等の電子交付でペーパーレス化を加速。運用保守費用を25%削減しました。
🔍 課題や背景
- 複数システムの分散運用 - 11種類のシステムを運用しており、二重入力などの無駄が発生
- システムの老朽化 - 平成初期に開発されたシステムで、開発言語が古くブラックボックス化
- 制度改正対応の負担 - 制度改正のたびに情報収集、改修仕様の検討、予算要求などが必要
- 紙媒体での配布コスト - 約23,000人の職員への給与明細等の印刷・配布に年約1,500万円
👍 選んだ理由
- 🔗 統合型パッケージ - 人事給与、庶務事務の統合型パッケージで窓口が一本化
- 🏛️ 大規模自治体での実績 - 札幌市の運用に最も近く、大規模自治体での実績も豊富
- ⚙️ カスタマイズの抑制 - カスタマイズ比率を大規模自治体の中で3分の1程度に抑制
- 💰 制度改正への対応 - パッケージで制度改正に対応し、今後の負荷軽減が期待できる
🚀 導入効果
- 運用保守費用を25%削減 - 11種のシステムの保守契約が統合され、大幅にコスト削減
- 印刷代の大幅軽減 - 9割の書類を電子交付でき、年約1,500万円の印刷代が削減
- 給与誤支給の減少 - データ抽出機能により前月との比較が容易になり、誤支給が減少
- 再発行依頼がゼロに - 職員がシステムからいつでも出力できるため、再発行依頼がなくなった
参考: 札幌市様 ‐ IPKNOWLEDGE 人事給与・庶務事務システム : 富士通
6️⃣ 沖縄県豊見城市役所(導入:IPKNOWLEDGE)
導入時期: 2018年
豊見城市では、紙ベースの勤怠管理から脱却するため、手のひら静脈認証による勤怠管理と「IPKNOWLEDGE庶務事務システム」を導入。出退勤時に手のひらをかざすだけで勤怠情報を記録し、時間外勤務の可視化により人材の適正配置を実現しました。
🔍 課題や背景
- 紙ベースの勤怠管理 - 勤務時間を正確に把握することが難しく、全体像がつかめない
- 人員配置の課題 - 正確なデータに基づいた人員配置ができず、閉庁日の勤怠管理にも課題
- 人事異動対応の負担 - 担当者の負担が大きく、システム間の連携が必要
- ファイル保管の課題 - 各課で増え続けるファイルの保管スペースが必要
👍 選んだ理由
- 📊 統合的な運用 - すでに稼働していたIPKNOWLEDGE人事給与、財務会計と統合的に運用可能
- 🤝 高いシェア - 県内における複数の自治体で利用されており、実績が豊富
- 🔐 生体認証の採用 - 指紋より認証精度が高い静脈認証により、なりすましや紛失のリスクがない
- 📝 ペーパーレス化 - データ化により紙の保管が不要になり、リアルタイムでアクセス可能
🚀 導入効果
- ペーパーレス化の実現 - 出退勤の際に手のひらをかざすだけで勤怠情報をデータで確認可能
- 時間外勤務の適正管理 - 時間外勤務の申請がシステム上で適正に行われ、手当の計算もスムーズに
- 人材の適正配置 - 時間外や閉庁日の勤怠状況が可視化され、データをもとに人材配置を最適化
- 人事異動対応の負担軽減 - 1度入力すればシステム間の連携が図れ、年度末の業務負担が大幅に軽減
- 個人情報保護に寄与 - 休日の出退勤管理を適正に実施し、市民の個人情報保護を強化
参考: 豊見城市 様 IPKNOWLEDGE 庶務事務システム ‐ : 富士通
7️⃣ 東京都武蔵野市役所(導入:IPKNOWLEDGE)
導入時期: 2015年
武蔵野市では、前システムのリース期間満了に伴い、「IPKNOWLEDGE 人事給与システム」を導入。時間外勤務データの自動連携と未来日計算の事前処理機能により、月次の給与計算業務を効率化。年度末の人事異動関連業務の負荷も大幅に軽減しました。
🔍 課題や背景
- 給与計算業務の負荷 - 時間外勤務データの取り出し・変換・反映が手作業で、月次の締め日前が繁忙
- 未来日計算の制約 - 期末勤勉手当などの未来日計算ができず、事実発生日を待つ必要があった
- 人事異動対応の負担 - 年度末の内示表作成をExcelで短期間に行う必要があり、業務負荷が高い
- 紙ベースの通知 - 昇給通知などが紙ベースで、印刷・封入・発送に多くの時間を要していた
👍 選んだ理由
- 🎯 機能要件の一致率が最高 - 求める機能要件に対する回答において、最も一致率が高かった
- 🏢 信頼のおける大手ベンダー - 丁寧な作業工程の説明と、想定以上の打ち合わせ回数で信頼性を確認
- 👥 充実したサポート - 営業・SEの人当たりがよく、頼りになりそうな印象
🚀 導入効果
- 給与計算業務の効率化 - 時間外勤務データが自動化され、月次の計算業務負荷が大幅に軽減
- 未来日計算の事前処理 - 期末勤勉手当の計算を例月給与計算前に完了し、業務を平準化
- 人事異動対応の残業ゼロ - ドラッグ・アンド・ドロップで内示情報を入力でき、異動情報確定後の残業時間がゼロに
- 通知書類の電子化 - 昇給・辞令の通知が電子化され、印刷・封入・発送が不要に
- データ抽出の簡易化 - 右クリック操作で給与明細データを容易に抽出でき、確認作業が効率化
参考: 武蔵野市様 ‐ IPKNOWLEDGE 人事給与システム ‐ : 富士通
📝 まとめ
給与計算システムの導入事例から、以下のような共通の成果が見られました。
主な導入効果
業務効率化
- 作業負荷が1/10まで削減(あわら市)
- 処理時間が大幅に短縮
- 二重入力などの無駄な作業が解消
- 年度更新作業のスムーズ化
コスト削減
- 運用保守費用を25%削減(札幌市)
- 印刷代年間1,500万円削減(札幌市)
- 制度改正対応コストの削減
- データ入力業者への委託費用削減
ペーパーレス化
- 給与明細・源泉徴収票の電子交付
- 人事評価資料の電子化
- 各種申請のWeb化
- 再発行依頼の解消
精神的負担の軽減
- 人的ミスへの不安が解消
- 期限に追われるストレスから解放
- 計算ミス・転記ミスの心配がなくなる
- 安心して業務に取り組める環境
システム選定のポイント
給与計算システムを選定する際は、以下の点を重視することが重要です:
- 会計年度任用職員制度への対応 - 複雑な勤怠・給与管理に対応できること
- 統合型パッケージ - 人事・勤怠・給与を一括管理できること
- 柔軟な機能追加 - 自治体独自の制度に対応できること
- 法改正への自動対応 - 保守の範囲内で制度改正に対応できること
- 電子交付機能 - ペーパーレス化による業務効率化が図れること
- 充実したサポート - 導入時だけでなく、運用後もサポートが受けられること
給与計算システムの導入により、業務効率化、コスト削減、ペーパーレス化、そして職員の精神的負担軽減という多面的な効果が期待できます。本記事で紹介した事例を参考に、自組織に最適なシステムの選定を進めてください。
🔍 給与計算システムの比較・選定
実際の導入事例やシステム比較は、以下のページで詳しくご確認いただけます。